2010-12-17

熱い思いは。。

クニマス再発見のニュースのおかげか、淡水魚探索熱が復活しそうな感じです (^^;
そんな訳で、、今日は昔に撮った熱い魚の写真を紹介したいと思います♪

それは、、ハリヨ。

こちらは6年程前、近畿地方のとある河川で撮った雄の写真です。



この魚はトゲウオ科と言うグループに属するのですが、、何れの種も水温の低い水中でしか生きる事ができません。具体的には年平均水温が20℃を越える水域には分布していません。

こちらは雌です


関西に住んでいる人はイメージが湧くと思うのですが、関西の夏はかなり暑いです。渓流域を除くと、川の水温もかなり高くなります。


が、、ハリヨは遊泳力がそれほどあるわけでもなく、、巣を作って産卵をする事もあって、、渓流域には生息出来ません。(流れがある場所で巣を作っても、すぐに流されてしまうので)



水温が一年中低く、水の流れがない場所はどこか??
・・・それは湧水地なんです

そんな訳で、、ハリヨは湧水地のみに生息しています。
もっと言うと、、滋賀県と岐阜県の一部の湧水地でのみ確認されています。(以前は三重県の一部にも生息していますが、、、こちらは絶滅した模様。。。)



さて、、このハリヨには面白い習性があります


それは、、、



繁殖期に雄の頬が真っ赤になり、他の雄や青&赤色をした物体(釣り用の浮きとか)に対して非常に攻撃的になります。なので、、ハリヨの縄張り近くに赤と青の物体を近づけるとボコボコ突っついて来ます (^^;

こちらは婚姻色を出した雄です

こっちは巣の作っているところ。肝臓(だったかな?)から分泌される粘液を使って水草等を接着して巣を作ります
(雄は巣を作り、雌を巣に誘い込み産卵した後で、卵の世話をします)








他にも色々と理由があってトゲウオの仲間は、昔から動物行動学等の研究題材になってました。
記憶が曖昧ですが、、子供の頃に読んだ動物行動学者(コンラート・ローレンツ)の本にもトゲウオの事が書いてあって、僕もその頃から名前だけは知っていたのでした。


さて、、、学生の頃、僕は友達と毎週の用に近畿各地の河川に行って魚類の分布を調べてました。研究と言う程のものではなく、ただの趣味レベルのものでしたが、その時に運よく生息地を見つけ、初めて対面したのでした!♪
小さな魚なのですが、体の作りが非常に精巧で、他の日本産淡水魚にはない趣があり、「渋いな~」と思いました (^^;
これが10年ほど前の事なのですが、、その時の事は今でもハッキリと覚えています ('ω'*)

そして数年後、ダイビング&水中写真を始めてから、再び生息地を訪れ、なんとか写真に収めたのでした~

こちらは婚姻色を出しかけ(?)の雄。繁殖自体は春と秋がピークなのですが、僕が訪れたのは盛夏だったので、、婚姻色をバリバリだしている雄は一尾しかいてませんでした。


が、、この生息地、、写真を撮った2年後に環境が破壊されてしまいハリヨは姿を消しました。。。
もともと生息地が限られている上に、生息できる環境が限定されているので、、ちょっとした環境の変化で絶滅する危険が非常に高いのです。。。

因みに、、、昔は京都や兵庫にミナミトミヨと言う同じくトゲウオ科の一種が生息していました。が、、こちらは既に絶滅したと言われてます。。


そんな訳で、、ハリヨを取り巻く環境は厳しいのですが、、クニマス再発見のニュースを見て久々に未知のハリヨの生息地&ミナミトミヨ探しを再開しようかな~なんて思ってます♪

AQUAS忘年会の翌日、奇しくもトゲウオの本「トゲウオ、出会いのエソロジー」を買ったばかりですし (^^;
誰か一緒に探してみませんか??

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